知っておきたい車の費用全部:購入時と維持にかかるお金の内訳とチェックポイント
車にかかるお金、その全体像を把握しましょう
車は私たちの生活を豊かにしてくれる大切な存在ですが、購入する時だけでなく、所有している間も様々な費用がかかります。特に年金生活に入ると、収入が限られる中で、車の維持費が家計の負担にならないか心配される方もいらっしゃるかもしれません。
後悔しないカーライフを送るためには、車にかかる費用について、事前にその全体像をしっかりと把握しておくことが大切です。この記事では、車の購入にかかる初期費用から、毎年、そして必要に応じて発生する維持費まで、具体的なお金の内訳を分かりやすくご説明します。そして、それぞれの項目で事前に確認すべきポイントや、維持費を賢く抑えるための方法についてもご紹介します。
車の購入にかかる主な費用
車を購入する際には、車両本体価格以外にも様々な費用が発生します。これらは大きく分けて「車両本体価格」と「諸費用(しょひよう)」の二つです。
1. 車両本体価格
これは文字通り、車の価格そのものです。カタログに記載されている価格を基本に、グレードや装備によって価格が変動します。
- 確認事項:
- 希望するグレードや必要なオプション装備を含めた価格を正確に確認しましょう。
- 販売店によっては、値引き交渉ができる場合もあります。無理のない範囲で相談してみるのも良いかもしれません。
2. 諸費用(しょひよう)
諸費用とは、車を登録したり、税金を支払ったり、保険に加入したりするためにかかる様々な費用の総称です。これらを合わせると、車両本体価格の約10~20%程度になることもあります。
- 税金:
- 自動車税環境性能割(じどうしゃぜいかんきょうせいのうわり): 車を取得した時にかかる税金です。環境性能に優れた車ほど税率が低くなる、または免税になる場合があります。車の燃費性能などによって税額が変わるため、購入を検討している車の税率を確認しましょう。
- 保険料:
- 自賠責保険料(じばいせきほけんりょう): すべての自動車に加入が義務付けられている保険です。交通事故の被害者の救済を目的としており、保険料は車種や契約期間によって定められています。購入時にまとめて支払うことが一般的です。
- 任意保険料(にんいほけんりょう): 自賠責保険では補償されない範囲をカバーするための保険です。加入は義務ではありませんが、万が一の事故に備えて加入することが強く推奨されます。保険料は、車の種類、運転者の年齢、補償内容、過去の事故歴など様々な条件で大きく変わります。保険会社によって保険料が異なるため、複数の保険会社を比較検討することが大切です。
- 登録費用・手続き代行費用:
- 車を所有者として登録するために必要な費用です。販売店に手続きを代行してもらう場合は、その手数料も含まれます。ご自身で手続きすることも可能ですが、書類が多く手間がかかる場合があります。
- リサイクル料金:
- 将来、その車を解体する際にかかる費用(リサイクル費用)を、車の購入時にあらかじめ支払う制度です。車種によって金額が定められています。
- その他:
- 販売店によっては、納車費用や、希望ナンバープレートの取得費用などがかかる場合があります。
【購入費用に関する確認事項チェックリスト】
- [ ] 車両本体価格に希望のオプションが含まれているか確認しましたか?
- [ ] 見積もり書の「諸費用」の内訳を一つずつ確認しましたか?
- [ ] 税金や自賠責保険料が正しく計算されているか確認しましたか?
- [ ] 任意保険料は、ご自身の希望する補償内容でいくらになるか確認しましたか?(販売店だけでなく、ご自身でも複数の保険会社に見積もりを依頼してみましょう)
- [ ] 販売店への手続き代行費用などが含まれているか、その金額は妥当か確認しましたか?
- [ ] リサイクル料金が含まれているか確認しましたか?
- [ ] 見積もり総額に不明な点はありませんか?
車を所有することでかかる維持費
車を購入した後も、維持のために様々な費用が継続的に発生します。これらの費用を事前に把握しておくことが、年間の家計管理にとって非常に重要です。
1. 定期的にかかる費用
- 税金:
- 自動車税種別割(じどうしゃぜいしゅべつわり)または軽自動車税種別割(けいじどうしゃぜいしゅべつわり): 車の所有者に対して毎年課税される税金です。一般的に普通車には自動車税、軽自動車には軽自動車税がかかります。税額は車の排気量や種類によって決まっており、毎年春に納税通知書が届きます。燃費の良い車や特定の条件を満たす車には、税金が安くなる「グリーン化特例」などの優遇措置がある場合もあります。
- 保険料:
- 任意保険料: 契約内容によりますが、多くの場合、年払いまたは月払いで保険料がかかります。等級が上がると保険料が安くなるなどの仕組みがあります。
- 燃料費(ガソリン代や電気代): 車の使用頻度や燃費によって大きく変動する費用です。走行距離が長いほど、燃費が悪い車ほど燃料費は高くなります。
- 駐車場代: 自宅に駐車スペースがない場合は、毎月の駐車場代が必要になります。
2. 必要に応じてかかる費用
- メンテナンス費用:
- 安全に快適に車に乗るためには、定期的なメンテナンスが必要です。エンジンオイルやオイルフィルター、タイヤ、バッテリー、ワイパーブレードなど、消耗品の交換費用がかかります。点検パックなどを利用すると、費用を平準化できる場合があります。
- 車検費用(しゃけんひよう): 車が国の定める安全基準を満たしているかを確認するための検査です。新車購入後、最初の車検は3年後、それ以降は2年ごとに受ける必要があります。車検費用には、国に納める法定費用(自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料)と、点検・整備にかかる費用があります。
- 修理費用: 故障や事故が発生した場合にかかる費用です。年式が古い車ほど、部品交換や修理が必要になる可能性が高まる傾向があります。
【維持費に関する確認事項チェックリスト】
- [ ] 所有を検討している車の、毎年かかる税金(自動車税/軽自動車税)の金額を確認しましたか?
- [ ] 任意保険料は、年間にまたは月にいくらかかるか把握していますか?
- [ ] 予想される車の使用頻度と燃費から、おおよその年間または月間の燃料費を計算しましたか?
- [ ] 駐車場代は必要ですか?必要な場合は月額いくらか確認しましたか?
- [ ] 車検はいつ頃必要になり、おおよそいくらくらいかかるか把握していますか?
- [ ] オイル交換などの基本的なメンテナンス費用は、年間でおおよそいくらかかるか確認しましたか?(メンテナンスパックなども含めて検討しましょう)
- [ ] 予期せぬ修理に備えて、ある程度の費用を準備しておく必要があります。
維持費を抑えるための賢い方法
年金生活の中で、車の維持費を少しでも抑えたいと考えるのは自然なことです。ここでは、実践しやすい維持費節約のポイントをご紹介します。
- 燃費の良い運転を心がける: 急発進や急ブレーキを避け、一定の速度で走行するなど、穏やかな運転は燃費向上につながります。また、不要な荷物を車から降ろすことも効果があります。
- 適切なメンテナンスを行う: 定期的なオイル交換やタイヤの空気圧チェックは、燃費を維持し、車の故障を防ぐために重要です。結果的に大きな修理費用を抑えることにもつながります。
- 任意保険を見直す: 家族構成の変化や年齢、車の使用状況に合わせて、定期的に保険の補償内容を見直しましょう。不要な特約を外したり、複数の保険会社の見積もりを比較したりすることで、保険料を節約できる可能性があります。
- 税金や補助金制度を活用する: エコカー減税や、電気自動車などの購入で利用できる補助金制度などがあります。これらの制度は変更されることもありますので、最新の情報を確認し、対象となる車であれば活用を検討しましょう。複雑な手続きは販売店に相談することも可能です。
- 車の使い方を見直す: 近距離の移動であれば、徒歩や自転車、公共交通機関を利用することも選択肢の一つです。車の使用頻度を少し減らすだけでも、燃料費やメンテナンスの頻度を抑えることができます。
まとめ:費用を事前に把握し、計画的なカーライフを
車の購入時や所有にかかる費用は、車両本体価格だけでなく、税金、保険料、メンテナンス費、燃料費など多岐にわたります。これらの具体的な内訳を事前にしっかりと把握しておくことが、後悔しない車選びの第一歩です。
今回ご紹介した確認事項チェックリストを活用し、ご自身の家計状況と照らし合わせながら、無理のないカーライフ計画を立ててみてください。維持費を抑えるための工夫も取り入れることで、安心して車を運転し続けることができるでしょう。ご不明な点があれば、販売店の担当者や専門家にも遠慮なく相談されることをお勧めします。