後悔しないための車の税金・補助金ガイド:難しい制度を分かりやすく解説
車を持つことには、楽しいことや便利なことがたくさんありますが、税金や費用もかかります。特に年金生活を送られている方にとっては、これらの費用が家計の負担にならないかご心配されているかもしれません。しかし、車の税金や利用できる補助金についてきちんと知っておけば、無駄な支払いを減らし、賢く車を維持していくことができます。
この記事では、車にかかる税金の種類と、税金の負担を軽くする方法、そしてぜひ知っていただきたい補助金制度について、専門的な言葉を使わずに分かりやすくご説明します。
車にかかる税金の種類を知りましょう
車に関わる税金はいくつか種類があります。それぞれいつ、誰が払うのかを確認しておきましょう。
-
自動車税(種別割) この税金は、毎年4月1日時点の車の所有者にかかる税金です。排気量によって税金の金額が変わります。排気量が小さい車ほど、税金は安くなります。毎年5月頃に自宅に納税通知書が届き、支払うことになります。軽自動車の場合は「軽自動車税(種別割)」という別の税金になりますが、こちらも毎年かかる税金です。
-
自動車重量税 この税金は、車の重さに対してかかる税金です。新車を購入する時や、車検を受ける時に支払います。車の重いものほど税金が高くなる傾向がありますが、燃費の良いエコカーなどは税金が安くなる「エコカー減税」という仕組みがあります。
-
環境性能割 車を購入する時にかかる税金です。以前は「自動車取得税」という税金がありましたが、今は廃止され、この環境性能割という税金に変わりました。車の燃費性能などに応じて税率が決まり、環境への負荷が少ない(燃費が良い)車ほど税金が安くなります。電気自動車など、特に環境性能が高い車は非課税となる場合もあります。
-
消費税 車を購入する時には、車両本体価格やオプション、購入時の手数料などに対して消費税がかかります。
税金の負担を賢く軽くする方法
車にかかる税金は避けられませんが、選び方や使い方で負担を減らすことが可能です。
-
燃費の良いエコカーを選ぶ 先ほどご説明した「エコカー減税」や「環境性能割」によって、燃費性能や環境性能が高い車は税金が優遇されます。購入時の税金だけでなく、購入後にかかる自動車重量税も一定期間安くなることがあります。長い目で見ると、毎年のガソリン代の節約にもつながり、維持費全体を抑えることにつながります。
-
適切なサイズの車を選ぶ 自動車税は車の排気量で決まります。ご自身の車の使い方(主に一人で近距離を運転する、など)を考えて、必要以上に排気量の大きな車を選ばなければ、毎年の自動車税の負担を抑えることができます。軽自動車は、自動車税(種別割)よりも軽自動車税(種別割)の方が税額が低く設定されています。
-
古い車に乗り続けるか、買い替えるか ガソリン車やLPガス車の場合、新車登録から一定年数(ガソリン車・LPガス車は13年、ディーゼル車は11年)を超えると、自動車税や自動車重量税が高くなる「グリーン化特例」の対象となる場合があります。古い車を大切に長く乗ることも素晴らしいことですが、税金や燃費、メンテナンス費用なども含めて、買い替えとどちらがお得かを考えてみるのも良いかもしれません。
利用できる補助金制度を知って賢く活用しましょう
車の購入にあたっては、国や地方自治体から補助金が出る場合があります。特に高齢者の安全運転をサポートするための補助金は、ぜひ確認していただきたい制度です。
-
サポカー補助金(高齢者向け安全運転サポート車普及促進事業) これは、65歳以上の運転者が、衝突被害軽減ブレーキなどの安全運転をサポートする機能(ASV技術)が付いた、特定の基準を満たす車(「サポカー」「サポカーS」と呼ばれます)を購入する際に、国から補助金が交付される制度です。
- 対象者: 申請時点(2022年3月末で申請受付終了。しかし、後継の制度や地方自治体の補助金がある可能性があるため、最新情報を確認することが重要です)で満65歳以上の方。
- 対象となる車: 衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などが付いた安全機能が備わっている、一定の基準を満たした新車または中古車。
- 補助額: 新車の場合、対象となる安全機能の種類に応じて、登録車では最大10万円、軽自動車では最大7万円。中古車の場合は、登録車で最大4万円、軽自動車で最大3万円など(制度によって金額は変動します)。 この補助金は、高齢者の安全な運転を支援し、事故を減らすことを目的としています。対象となる安全機能が付いた車を選ぶことで、補助金を受け取れるだけでなく、ご自身の安全運転にもつながります。制度の詳細や最新の情報、対象となる車については、お近くの自動車販売店に相談してみるのが最も確実です。
-
エコカーに関する補助金 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)など、特に環境性能に優れた車を購入する際に、国や地方自治体から補助金が出る制度があります。これらの車は車両価格が高めですが、補助金を活用することで手の届きやすい価格になったり、維持費(燃料代や税金)が安くなるメリットがあります。最新の補助金制度については、購入を検討している車の販売店や、国の機関(例:次世代自動車振興センターなど)、お住まいの地方自治体のウェブサイトなどで確認することができます。
-
地方自治体独自の補助金 国が実施する補助金制度とは別に、地方自治体が独自に車の購入や、安全運転のための機器設置に対する補助金制度を設けている場合があります。お住まいの市区町村のウェブサイトを確認したり、窓口に問い合わせてみることをお勧めします。
税金・補助金について調べるには
税金や補助金制度は、法改正などによって内容が変わることがあります。最も確実で最新の情報を得るためには、以下の方法があります。
- 自動車販売店の担当者に相談する: 車の購入を検討している場合は、販売店の担当者に「利用できる補助金はありますか?」「この車の税金はいくらですか?」と具体的に聞いてみましょう。専門的な知識を持っており、最新の情報を提供してくれます。
- 国の関連機関や地方自治体のウェブサイトを確認する: 国土交通省、経済産業省、お住まいの都道府県や市区町村の公式ウェブサイトで、最新の税金制度や補助金制度に関する情報を調べることができます。ただし、専門的な記述も多いため、分かりにくい場合は販売店などに尋ねるのが良いでしょう。
- 信頼できる自動車関連の情報サイトを参考にする: 専門家が監修しているような、信頼性の高い自動車関連のウェブサイトでも、税金や補助金について分かりやすく解説されている場合があります。
まとめ
車の税金や補助金制度は少し複雑に感じられるかもしれませんが、ご自身の状況に合わせて賢く情報を活用することで、車の維持にかかる費用を抑えることが可能です。
特に、年金生活で収入が限られている方にとっては、サポカー補助金のような制度を知っているかどうかが、車の購入費用や維持費の負担を大きく変える可能性があります。
この記事が、あなたが後悔しないための車の選択、そして安心できるカーライフを送るための一助となれば幸いです。気になることや分からないことがあれば、お近くの自動車販売店や専門機関に遠慮なく相談してみてください。