中古車で後悔しないために:購入費用と維持費のチェックリスト
中古車購入で後悔しないための費用・維持費チェックリスト
年金生活に入り、これまで乗っていた車の維持費が家計の負担になっている、あるいは新しい車への買い替えを検討しているという方もいらっしゃるかもしれません。燃費の良い車や、よりご自身のライフスタイルに合った車に乗り換えることで、維持費を抑えられる可能性があります。
新しい車の選択肢として、新車ではなく中古車を検討されるケースも多いかと存じます。中古車は新車に比べて初期費用を抑えられる点が魅力です。しかし、中古車ならではの注意点や、購入後にかかる維持費についてしっかりと確認しておかないと、「思っていたより費用がかかってしまった」と後悔につながることもあります。
この記事では、中古車の購入を検討する際に、後悔しないために確認しておきたい「購入費用」と「維持費」に関するチェックリストをご紹介します。専門的な話は避け、分かりやすくご説明しますので、ぜひ車の購入計画にご活用ください。
中古車購入時にかかる費用を確認しましょう
中古車の購入時には、車両本体価格だけでなく、さまざまな費用がかかります。これらの費用を合計した「総支払額」で比較検討することが大切です。
□ 1. 車両本体価格
これは車の値段そのものです。年式、走行距離、車種、車の状態などによって大きく異なります。まずは予算を設定し、その範囲でどのような車があるか探してみましょう。
□ 2. 諸費用(購入時にかかる手続き費用など)
車両本体価格以外にかかる費用です。販売店によって項目や金額は異なりますが、主に以下のようなものが含まれます。
- 登録費用(検査登録手続代行費用): 車を登録する手続きを販売店に代行してもらう費用です。
- 車庫証明費用(車庫証明手続代行費用): 車を保管する場所(車庫)があることを証明する手続きの代行費用です。ご自身で手続きすれば費用を抑えられます。
- 納車費用: 購入した車をご自宅などに届けてもらう費用です。販売店に取りに行く場合はかからないことがあります。
- 法定費用: 税金や自賠責保険料など、法律で定められた必ずかかる費用です。これらは販売店を問わず同額です。
- 自動車税(種別割): 購入月からの年度末までの分を支払います。
- 自動車重量税: 車検のタイミングで次の車検までの分を支払います。購入時は、検査登録時に支払います。
- 環境性能割: 燃費性能などに応じてかかる税金です。非課税になる車もあります。
- 自賠責保険料: 法律で加入が義務付けられている保険です。次の車検までの分を支払います。
- リサイクル料金: 車を解体する際に必要となる費用です。すでに支払われている中古車がほとんどですが、未払いの場合は購入者が支払います。
諸費用は、車両本体価格の10〜20%程度になることが多いようです。これらの費用を販売店の見積もりでしっかり確認し、不明な点は遠慮なく質問しましょう。
□ 3. 任意保険料
自賠責保険とは別に、ご自身の判断で加入する保険です。万が一の事故に備えるための重要な費用です。保険料は年齢、運転歴、車種、補償内容などによって大きく異なります。中古車を購入する場合でも、新たに保険に加入するか、現在の保険契約を変更する必要があります。購入を決める前に、保険会社に連絡して正確な保険料を確認しておくことを強くおすすめします。
中古車購入後の維持費に関する確認事項
車を所有すると、購入後も継続的にさまざまな費用がかかります。特に中古車の場合、新車とは異なる維持費の注意点があります。
□ 4. 予想される修理・メンテナンス費用
中古車は、新車に比べて部品が劣化している可能性があり、思わぬ修理費用がかかることがあります。
- □ 消耗品の交換: タイヤ、バッテリー、ブレーキパッドなどの消耗品は、走行距離に応じて劣化します。交換時期が近いか、購入時に確認しましょう。
- □ 故障リスク: 年式が古い車や走行距離が多い車は、主要な部品が故障するリスクが新車より高まります。保証期間があるか、どのような故障が保証対象かを確認しておくことが重要です。
信頼できる販売店であれば、車の状態について詳しく説明してくれます。また、購入後の保証制度が充実しているかも確認のポイントです。
□ 5. 車検費用と定期点検費用
安全に車に乗るためには、定期的な点検や車検が必要です。
- □ 車検費用: 車検は国の定める保安基準に適合しているかを確認する検査で、新車登録から3年後、以降は2年ごとに受けます。点検費用、部品交換費用、法定費用などがかかります。購入する中古車の次回の車検がいつかを確認しておきましょう。
- □ 定期点検: 半年ごとや1年ごとに行う点検です。義務ではありませんが、車の状態を良好に保ち、思わぬ故障を防ぐために重要です。
□ 6. 燃料費(ガソリン代・電気代)
車の燃費は、車種や年式によって大きく異なります。
- □ 燃費の確認: 購入を検討している車のカタログ燃費や実燃費の情報を調べてみましょう。ご自身の走行距離から、おおよその燃料費を計算できます。燃費の良い車を選ぶことで、長期的に維持費を節約できます。
- □ 燃料の種類: ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、電気自動車など、燃料の種類によって特性や費用が異なります。ご自身の走行距離や充電環境などを考慮して選びましょう。
□ 7. 税金
毎年かかる税金です。
- □ 自動車税(種別割): 排気量に応じて毎年かかる税金です。年式が古い車(ガソリン車は新車登録から13年以上、ディーゼル車は11年以上経過)の場合、税金が高くなることがあります。
- □ 軽自動車税(種別割): 軽自動車にかかる税金です。自動車税に比べて安価ですが、こちらも年式が古い場合は税金が高くなることがあります。
購入を検討している車の年式を確認し、税金が加算される対象となるか確認しましょう。
□ 8. その他(駐車場代、洗車代、高速料金など)
お住まいの状況によっては駐車場代がかかります。また、必要に応じて洗車費用や高速道路の料金なども維持費として考慮する必要があります。
後悔しないための「中古車選び」具体的なチェックリスト
費用の確認と合わせて、実際に車を選ぶ際の具体的なチェックポイントです。
- □ 信頼できる販売店を選ぶ: 中古車販売店には様々な形態があります。ディーラー系中古車販売店、中古車専業店などがあります。車の状態や保証について、誠実な説明をしてくれるか、評判は良いかなどを確認しましょう。
- □ 車両状態を細かくチェックする:
- 外装・内装: 目立つ傷やへこみ、シートの破れや汚れはないか。
- エンジン: エンジンのかかり具合、異音はないか。
- 足回り: タイヤの状態(溝の深さ)、異音はないか。
- 電装品: ライト、ウィンカー、エアコン、パワーウィンドウなどは正常に作動するか。
- 修復歴: 大きな事故による修理(骨格部分の修理)があるか。修復歴のある車は価格が安いことが多いですが、走行に影響が出る可能性もあります。説明をしっかり受けましょう。
- 走行距離と年式: 一般的に走行距離が少なく年式が新しいほど車の状態は良い傾向にありますが、価格は高くなります。ご自身の使い方と予算に合ったバランスを見つけることが重要です。
- □ 試乗する: 可能であれば必ず試乗しましょう。エンジンの音、ブレーキの効き具合、運転のしやすさなどを実際に体感することが大切です。
- □ 保証制度を確認する: 中古車には保証がないもの、短い期間の保証が付くもの、有料で延長保証を付けられるものなどがあります。万が一の故障に備え、保証内容をしっかり確認しましょう。
- □ 見積もり内容を詳細に確認する: 前述の諸費用を含め、何にいくらかかるのか、不明瞭な点はないか細かくチェックします。
まとめ
中古車は初期費用を抑える魅力的な選択肢ですが、購入後に思わぬ費用がかかる可能性も考慮しておく必要があります。後悔しないためには、車両本体価格だけでなく、諸費用、購入後の維持費まで含めた総額で検討すること、そして車の状態や販売店の信頼性をしっかり確認することが非常に重要です。
今回ご紹介したチェックリストを参考に、ご自身の予算や使い方に合った最適な一台を見つけていただければ幸いです。疑問点や不安な点は、販売店の担当者に遠慮なく質問し、納得した上で購入の判断をなさってください。